CULTURE

国立競技場ができるまでを定点撮影で辿る

写真集『国立競技場 Construction』刊行

CULTURE2021.07.21

定点撮影16万枚の写真が語る国立競技場ができるまで。写真集『国立競技場 Construction』刊行

本書は、国立競技場の建設へ向けて準備工事が始まった2016年10月から、2019年11月に完成するまで、同競技場に面した河出書房新社の屋上から、24時間×1137日にわたり、共同通信社が撮影したオールカラーの写真をまとめたものです。

写真集『国立競技場Construction』河出書房新社

3層目が姿を現したスタンド(撮影日:2017年12月6日)

トータル約16万枚にも上る膨大な記録の中から精選された定点写真の数々は、日本を代表するスタジアムが完成するまでのいわばドラマであり、四季を三度めぐった国立競技場の誕生劇です。

写真集『国立競技場Construction』河出書房新社

夜明け前の風景(撮影日時:2018年5月20日 午前3時22分)

36カ月という工期の間、この巨大で特別な建造物は、どのような工法を用い、どんな重機を使い、どれだけの人員、企業が参加して完成したのか。地盤整備から、基礎構築、スタンド建設、屋根の架構、フィールド整備、内装外装、歩行者デッキ構築、外構整備までを時系列で収録。さまざまな工夫と努力がつぶさに見てとれる一冊となっています。

序文は、1日最大2,700人、延べ150万人が動員された新競技場の設計に携わった[*]、隈研吾氏が執筆。「人が集まる場所」を作り出す、建築家としての思いが語られています。
*.設計:大成建設・梓設計・隈研吾建築都市設計事務所共同企業体

「競技場というものは、そして、たくさんの人が集まる場所というものは、人がいようといまいと、寂しくなく、温かく、やさしい場所でなければいけない。
どんな時代が来ようとも、人類にどんなことが降りかかろうとー」(隈 研吾氏「序文」より)

写真集『国立競技場Construction』河出書房新社

約50mの張り出しで観客席を覆う片持ち形式の屋根(撮影日:2018年7月11日)

各章では、「杜のスタジアム」というコンセプト、「世界最高水準のユニバーサルデザイン」などスローガンの実現へ向けたさまざまな手法・工夫について詳細に解説。天然芝へのこだわり、観戦環境への入念な配慮、スタジアムの外周を覆う軒庇に47都道府県で生育された木材が使用され、その産地の方角へ向けて配置されているといったエピソードのほか、国立競技場と周辺施設の位置関係がひと目でわかるフォトマップも収録。さらに、1964年に東京五輪が開催され、2015年に取り壊された旧国立競技場のメモリアル・ページでは、国立競技場の地理・歴史もあわせて知ることができます。

写真集『国立競技場Construction』河出書房新社

写真集『国立競技場 Construction』

:一般社団法人共同通信社
体裁:B5判・横長 / 上製
ページ数:96頁(オールカラー)
ISBN:978-4-309-25670-2
本体価格:2,850円(税込3,135円)
発売日:2021年7月12日
版元:河出書房新社
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309256702/

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