2021年8月26日初掲、9月11日ライブカメラYouTube動画のリンクを追記
東京・日本橋兜町に、大規模複合用途ビル〈KABUTO ONE〉が竣工。2017年11月に東京都が策定した「国際金融都市・東京」構想に基づいて建設された、平和不動産、山種不動産、ちばぎん証券の3社による共同開発事業です。
ビルの名称には、“これまでも、これからも、ここ兜町が日本経済において不変の始まりの地=基点であり続ける”ことに加えて、兜町は江戸期より日本経済の中心として栄え、世界有数の経済圏へ成長した日本経済の”心臓”として躍動し続けるという、2つの想いが託されています。
東西を走る永代通りと平成通りの交差点に面するビルの1Fアトリウムは、高さ約14m、ガラス張り。3層吹き抜けの開放的な空間に、世界最大級のキューブ型大型LEDディスプレイ「The HEART」が、ビルのグランドオープンに先立ち、設置されました。
「The HEART」は幅6m、高さ5.5m、奥行き3m。4面・4分割回転式の構造体から成り、LEDディスプレイには、アイコニックなデザインかつマーケットの複雑な動静を映し出します。視覚的かつ空間的にマーケットの活気や動向を感じることができるとともに、このビルおよび金融の街・日本橋兜町の新たなシンボル(顔)として、”心臓”をモチーフにデザインされました。
コンテンツデザイン(ビジュアルプログラミング)をパラノマティクス(ライゾマティクスから改組)を主宰する齋藤精一氏が、造形・構成などのハードウェアのデザインを、noiz(ノイズ / パートナー:豊田啓介氏、蔡佳萱氏、酒井康介氏)が担当しています。
設計コンセプト:「The HEARTは日本経済の心臓として国内外に経済情報を伝え続けていく。これまでのように画一的な経済情報を伝えるだけでなく、経済の動き(脈動・うねり)や市況を心臓の鼓動・血液循環をモチーフにしたアート表現に変換することで、直感的に今、起きていることを、人々に体感してもらえるデザインを実現した。」
齋藤精一氏プロフィール:
1975年神奈川生まれ。建築デザインをコロンビア大学建築学科(MSAAD)で学び、2000年からNYで活動を開始。その後、Arnell Groupにて、クリエイティブとして活動し、2003年に越後妻有トリエンナーレでアーティストに選出されたのをきっかけに帰国。その後フリーランスのクリエイティブとして活躍後、2006年にライゾマティクスを設立(2021年1月末改組)。改組後は株式会社アブストラクトエンジン代表取締役を務め、パラノマティクス(Panoramatiks)を主宰。建築で培ったロジカルな思考を基に、アート・コマーシャルの領域で立体・インタラクティブの作品を多数作り続けている。
https://panoramatiks.com/
https://abstractengine.ltd/
豊田啓介氏プロフィール:
建築家。1972年、千葉県出身。1996-2000年安藤忠雄建築研究所。2002-2006年SHoP Architects(NY)を経て、2007年より東京と台北をベースにnoizを蔡佳萱と設立、2016年に酒井康介が加わり共同主宰。2020年ワルシャワ事務所設立。建築を軸にデジタル技術を応用したデザイン、インスタレーション、コンサルティングなどを国内外で行っている。2017年gluonを金田充弘と共同で設立。2025年大阪・関西国際博覧会 誘致会場計画アドバイザー(2017-2018年)。東京大学生産技術研究所客員教授(2020年-)。建築情報学会副会長(2020年-)。大阪コモングラウンド・リビングラボ ディレクター(2020年)。
https://noizarchitects.com/
本日兜町にオープンした大規模オフィスビル「Kabuto One」のロビーに、ダイナミックに変形しながらジェネラティブに情報提示する巨大ディスプレイ「The Heart」が公開されました。中から外から、昼も夜も、動的な情報発信続けていきます。形や構成は #noiz ビジュアルプログラミングは #rhizomatiks pic.twitter.com/4CF9ezVHnm
— 豊田啓介ゆるふわ系総研 (@toyoda_noiz) August 24, 2021
このアトリウムでは今後、イベントなども開催され、地域活動や賑わい・憩い・交流の拠点となる場としても機能する予定です。
〈KABUTO ONE〉公式ウェブサイト
https://kabutoone.tokyo/
〈KABUTO ONE〉の規模は、地上15階、地下2階、延床面積は約39,000m²。低層部に店舗、中層部には投資家と企業の対話交流拠点となるカンファレンス、高層部(6~15階)はオフィスのフロアとして予定しているほか、ライブラリーやラウンジなども入ります。
オフィスフロアは、1フロアあたり約1,905m²(約576坪)と、茅場町駅エリア最大級の大型オフィスとなり、中間層免震構造の導入やデュアルフューエル対応の非常用発電機の設置によって、高い安全性や事業継続性(BCP)を確保し、安全・安心な執務環境を提供するとのこと。
建物は、2022年12月開通予定の地下接続通路を通じて、地下1階と東京メトロ東西線・日比谷線「茅場町」駅に直結。地上とのバリアフリー接続を整備するとともに、街区再編・統合による貫通通路や、歩道状空地などのオープンスペースを整備し、歩行者回遊性の向上と賑わい創出に寄与します。
同ビルは、2021年8月より建物の地上部分と駐車場の使用を開始。地下1階部分を含めた建物全体の仮使用開始は2022年12月、すべての工事完了は2023年8月を予定しています。(en)
所在地:東京都中央区日本橋兜町7番1号(Google Map)
主要用途:事務所、店舗、集会場、貸会議室、駐車場
階数:地上15階、地下2階、搭屋2階
構造:地上S造、地下SRC造(一部S造) 中間層免震構造
延床面積:約39,208m²(約11,860坪)
事業者:平和不動産、山種不動産、ちばぎん証券
設計監理(意匠・設備):三菱地所設計
設計監理(構造):大林組
施工:大林組
開業(仮使用開始):2021年8月
ホール・カンファレンス営業開始:2021年10月予定
平和不動産 YouTube公式チャンネル「ABUTO ONE アトリウム ライブカメラ」(2021/08/21開設)
https://www.youtube.com/watch?v=9IN-0IAl5Ns
※参照元:平和不動産 2021年8月24日プレスリリース