1970年(昭和45)に神奈川県横浜市磯子区に、当時の公団の賃貸住宅団地として誕生した「洋光台団地」を核とした、同地域における地域再生・エリアマネジメントの取り組みが、1冊の本としてまとめられました。
編著は、洋光台まちづくり協議会[*]、神奈川県、横浜市、独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)などの団体と有識者で構成する洋光台エリア会議。
*1.洋光台まちづくり協議会:自治会町内会など、地域の関係者で構成されるまちづくり組織
会議の座長である、都市計画家で都市計画学者の小林重敬氏(東京都市大学都市生活学部教授、工学博士)の監修のもと、同地域で活動する住民、関係者、有識者の協力も得て、これまでの試行錯誤の過程を含め、取り組みの軌跡と到達点を辿る内容です。
洋光台におけるプロジェクトは、2011年(平成23)7月にスタート。2015年(平成27)3月には、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏と建築家の隈研吾氏が参画。両氏の監修のもと、洋光台団地の中央団地と北団地を中心とした「団地の未来プロジェクト」が関連して始動しました。
佐藤氏は、団地の「団」をモチーフにしたロゴマークの策定・デザインをはじめ、プロジェクト全体を監修してリード。隈氏と連携し、2018年(平成30)に隈研吾氏のデザイン監修により、洋光台中央広場(本稿1枚目の画像)をリニューアルオープン。
続いて、北団地の集会所に隣接する緑の広場と住棟ファサードもリニューアル。同集会所の改修では設計アイデアをコンペで募り、隈氏と佐藤氏のディレクションを経て、2020年(令和2)秋にオープンを迎えています。
2020年度内に一段落を迎えた「団地の未来プロジェクト」では、隈氏ら関係者が出席し、プロジェクトを振り返るトークセッションが、当時「佐藤可士和展」を開催中だった国立新美術館(東京・六本木)にて、2021年3月に報道陣向けに実施されています。
『TECTURE MAG』では、トークイベントの模様を取材。特集を組み、イベントレポートを掲載したほか、佐藤可士和氏とUR理事長・中島正弘氏の2人にインタビューを行い、YouTubeなどで公開しています。
プロジェクトの経緯は、本稿のフッターに設定した関連リンク先の特集ページも参照してください。
編著:洋光台エリア会議
判型:四六判
総頁数:256ページ
ISBN:9784761528119
販売価格:2,200円+税
版元:学芸出版社
発行日:2022年4月10日
目次など詳細
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761528119/