オーストラリア出身の建築家で、アジアをはじめ世界各地のプロジェクトを手掛けたケリー・ヒル(Kerry Hill、1943-2018)の作品集が、グラフィック社から刊行されました。
アマンリゾートなどのリゾート建築のほか、個人宅、市立図書館など公共施設まで幅広く手掛け、繊細でエレガントな建築設計・デザインで知られたケリー・ヒル。彼がシンガポールに設立したケリー・ヒル・アーキテクツ(Kerry Hill Architects: KHA)は、同国および母国オーストラリアをはじめ、スペイン、サウジアラビア、インド、中国、台湾、そして日本でも、さまざまなプロジェクトを手掛けてきました。
日本国内では、3つのアマン(2014年開業〈アマン東京〉、2019年開業〈アマン京都〉、伊勢志摩国立公園内に2016年に開業した〈アマネム〉)をKHAが設計しています。
本書では、1989年から2021年にかけて、KHAが手掛けた建築物を一挙掲載。実現に至らなかった計画段階でのプランや、進行中のプロジェクトも収録しています。
巻頭では、ケリー・ヒルの友人だったジェフリー・ロンドン(Geoffrey London、西オーストラリア大学建築学部名誉教授ほか)が序文を執筆。亡き友人について書き下ろした長文は、そのままKHAの活動の軌跡を辿る内容となっています。
目次
010 イントロダクション(序文)ある建築事務所の人格 / ジェフリー・ロンドン
026 ケリー・ヒル AO / アーミテージ・ヒル
034-363 主なプロジェクト1989-2021
364-399 進行中のプロジェクト
400 クロノロジー
422 寄稿者について
423 KHA 事務所 / 過去のメンバー
424 形にしてつくり込む
428 展覧会
430 受賞歴
433 モノグラフ・出版
434 プロジェクト別クレジット
438 写真クレジット
439 謝辞
著者プロフィール
ケリー・ヒル(Kerry Hill)
1943年生まれ。オーストラリアのパース市出身の建築家。1970年代に香港へ渡ったことを機に、リゾートホテル建築に携わるようになる。1979年にシンガポールで設立したケリー・ヒル・アーキテクツ(Kerry Hill Architects: KHA)を率いた(出身地のパース市にも同事務所を開設)。
2001年には、マレーシアのザ・ダタイ・ランカウイの功績が讃えられ、アガ・カーン建築賞(Aga Khan Award for Architecture: AKAA)を受賞。2006年には、オーストラリアの優れた建築家に贈られるオーストラリア建築家協会(AIA)金賞を受賞している。ジェフリー・ロンドン(Geoffrey London)
西オーストラリア大学名誉教授、建築学部元学部長。メルボルン大学客員教授、モナシュ大学非常勤教授、オーストラリア建築家協会終身会員、AIA・WA(西オーストラリア)支部の元支部長、ニュージーランド建築家協会名誉会員。
西オーストラリア州およびビクトリア州政府が進める都市再開発や新規専門病院の複合開発まで、幅広いプロジェクトにおいてアドバイザーを務める。オーストラリア建築家協会主催による、州ないし国レベルの設計賞の審査員や審査委員長をはじめ、建築設計コンペの審査員および審査委員長を数多く歴任。
著者:ケリー・ヒル
序文執筆:ジェフリー・ロンドン
判型・製本:A4変・上製
総頁数:440ページ
ISBN:978-4-7661-3563-3
定価:9,900円(本体+消費税10%)
発売日:2022年7月
版元:グラフィック社