誰もが快適に利用できる公共トイレを渋谷区内17カ所に設置する、日本財団が中心となって進めているプロジェクト「THE TOKYO TOILET」[*]。その15カ所目となるトイレが、笹塚出張所前の交差点に面してオープン、2023年2月22日より供用を開始しています。
〈幡ヶ谷公衆トイレ〉のデザインは、マイルス・ぺニントン氏 / 東京大学DLXデザインラボが手がけました。
クリエイター プロフィール
マイルス・ぺニントン(Miles Pennington)
デザイン先導イノベーション分野の教授として、東京大学生産技術研究所の独創的かつ国際的なイノベーション研究所、DLXデザインラボの運営に尽力。それ以前は英国・ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで教鞭を執り、自身も出身のインペリアル・カレッジとの共同修士プログラム、イノベーション・デザイン・エンジニアリング(IDE)でプログラム長を担当した。国際交流プログラム、グローバルイノベーションデザイン(GID)の創設者であ り元リーダー。過去には学術面での活動と並行して、イノベーション・コンサルタント会社・Takramのロンドン事務所長も兼務している。2017年9月に東京大学着任のため、日本に移住。東京大学DLXデザインラボ ウェブサイト
https://www.designlab.ac/コンセプト「…With Toilet」
公共トイレが地域コミュニティの中心であろうとしたことが今まであったでしょうか。しばしば公共トイレは使われなくなり、地域にとっての価値を失い、次第に忘れさられてしまいます。そうさせないため に私たちは「…With Toilet」をつくりました。公共トイレに別の機能をもつ空間を組み合わせた建築で、その第2の空間は、年齢や性別にかかわらず全ての人たちがさまざまな用途に活用できます。展示スペース、ポップアップストア、情報センター、待合所など、地域コミュニティの中心として役立てられることを期待しています。
マイルス・ぺニントン氏コメント
「私たち DLXデザインラボの理念は”協同”、”共有”、”探索”です。ですから、この素晴らしいプロジェクトに参加する機会をいただいたとき、学生たちがデザイナーや建築家や専門家と協同して、地域のコン テクストに基づいたアイデアを探索し、公衆トイレのあり方を考え直す、この上ないチャンスだと思ったのです。
ここはコミュニティスペースです。トイレはたまたまそれに付属しているにすぎません。地域ギャラリーとして、集会所として、あるいは他の用途として、笹塚・幡ヶ谷の人たちに使い倒していただきたいです。そして用を足したくなった時には、ぜひトイレに行ってくださいね。」
クリエイター:マイルス・ぺニントン(Miles Pennington)/ 東京大学DLXデザインラボ
ピクトサインデザイン:佐藤可士和(SAMURAI)
設計・施工:大和ハウス工業
レイアウト協力:TOTO
所在地:東京都渋⾕区幡ヶ谷3丁目37-8(Google Map)
供用開始:2023年2月22日(水)午後より
*1.「THE TOKYO TOILET」プロジェクト:東京・渋谷区内にある17カ所のトイレを、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に利用できる公共トイレに生まれ変わらせるプロジェクト。2023年1月20時点で14のトイレが完成。2023年3月末までに予定の17カ所全てで供用開始を目指して進行中。渋谷区では、男女平等およびLGBTへの対応など、多様性を尊重する社会を推進するための取り組みを行なっており、本プロジェクトへの協力もその1つ。
日本財団「THE TOKYO TOILET」プロジェクト特設サイト
https://tokyotoilet.jp/