東京・市ヶ谷のアンスティチュ・フランセ東京にて、イベント「建築映画館 2023」が2月23日から4日間の日程で開催されます。
会場となるアンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)は、坂倉準三が設計した名建築。この既存建物に新たな建築を融合させる拡張工事が近年行われ、藤本壮介建築設計事務所が設計した新校舎〈Village as Institute〉が2021年7月にオープンしています(詳細)。本イベントは、新旧の校舎に触れることができる機会となります。
建築映画館は、建築をテーマに映画を上映する映画祭です。映画館という建築物に集うことで、映画のなかの建築をフレームの外へ拡張させ、実際の都市・建築の議論へとフィードバックすることを目指して開催されます。
本イベントでは、製作された国・時代、ジャンルなどにとらわれず、建築に関連する映画を選定。「構造」「建築と人物」「図面」「アーカイブ」「都市」の5つのテーマを設けて紹介されます。例えば、「建築と人物」では、レム・コールハースが率いるOMAが設計し、1998年に竣工した〈ボルドーの住宅〉を掃除をする家政婦の所作を撮影した『Koolhaas Houselife』など(チケットは完売)。
※以下の選定に関するテキストは「建築映画館 2023」フライヤーより転載
01.構造
構造映画とは、ショット構成や物質的な支持体であるメディア(フィルムやビデオテープ)など、映画を成立させるための構造それ自体を主題とした映画を指す言葉である。これらの構造へ の操作によって喚起させられる空間体験が、建築と密接に関わる作品を上映する。
02.建築と人物
ある特定の人物がその映画に関わっていることが大きな意味をもつ映画を取り上げる。ここで言う人物とは、映像を撮った人物の場合もあれば、映像に映る人物の場合もある。建築的な言葉でいえば、施主である場合もあれば、利用者である場合も、もしくは設計者である場合もある。こうした人物と建築の関係を巡って、上映プログラムの選定を行った。
03.図面
映画を分析・批評する目的で、映像の情報をもとに図面(主に平面図)を描き起こす方法が存在する。図面というフォーマットにより、映画に一人称ではない視点が与えられ、俯瞰的な議論の下地となる平面が生まれる。そうした映画の図面分析を通して、映画と建築の関係性を再考しうる作品を上映する。
04.アーカイブ
映画の保存・継承は、映画フィルムのなかに遺されてきたさまざまな建築空間を、時間や場所を超えて体験することを可能にしてくれる。スクリーンを通して、映画によって建築を記録/伝達するこれまでの試行をその黎明期から見つめ直したい。
05.都市
人間の認識が及ばないほどに、概念や認識が無数に折り重なった都市の全体像を捉える方法のひとつとして映画がある。映画は自らが生み出した都市像を人びとに伝え、現実の 都市へと影響を及ぼすことさえある。ここでは映画をつくる行為を通じて現実の都市へと接続する2作品を選出した。
※上映作品は、上記以外にもあり
上映会場への入場は、各回入れ替え制、全席自由席(開映15分前に開場)。また、計11本の作品上映に加え、映画・建築双方の分野からゲストを招いてのトークショーも併せて開催されます。
タイムテーブル・鑑賞料金などの詳細は、「建築映画館 2023」公式ウェブサイトを参照してください。
日程:2023年2月23日(木・祝)〜2月26日(日)
会場:アンスティチュ・フランセ東京 講演会・視聴覚ホール
所在地:東京都新宿区市谷船河原町15(Google Map)
※会場ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策を実施
鑑賞方法:各作品ごとにチケット予約制、有料
チケット:Peatixにて取り扱い ※上映当日会場窓口にてチケットを若干数販売予定(完売の場合はなし)
https://peatix.com/group/12035680/events
※上映作品は後日発表
日時:2月23日(木・祝)14:40-16:10
テーマ:「建築映像と建築設計の往復」
登壇者:清原 惟(映画監督)、井上 岳(建築家、GROUP)、成定由香沙(建築映像作家、東京藝術大学大学院)、湯浅良介(建築家)、瀬尾憲司(建築映像作家、建築家)*、小田切 駿(建築家)*、渡辺瑞帆(セノグラファー、建築家)
*ガラージュ
モデレーター:山川 陸(建築家)
料金:一般 1,500円、学生・障がい者手帳提示者 1,200円
企画・運営:瀬尾憲司、小田切 駿、渡辺瑞帆
プログラム統括:瀬尾憲司、稲垣晴夏
プログラマー:成定由香沙、星遼太朗
渉外・上映素材制作:稲垣晴夏
宣伝:吉田夏生
英語協力:松原悠也
グラフィックデザイン:鈴木哲生
ウェブサイト:石井宏樹
ブックレット編集・校正:平井祐一
模型:ZOUZUO MODEL
主催・問合せ先:建築映画館実行委員会
助成:公益財団法人窓研究所
「建築映画館 2023」公式ウェブサイト
https://architectureincinema.com/