建築テック系スタートアップのVUILD(代表:秋吉浩気)が、ヤフー(Yahoo! JAPAN)が運営し、Yahoo! JAPANのオフィス内にあるオープンコラボレーションスペース「LODGE」と連携し、家具デザインのダウンロード、パーツの加工依頼ができるサイト「LODGE Remote Work Kit」を2021年9月9日にオープン。第一弾として、Yahoo! JAPAN有志のデザインを元に開発されたリモートワーク向け木製家具キット6種類の販売を開始しました。
VUILDは、「建築の民主化」をビジョンに掲げ、デジタルファブリケーション技術を活用した設計施工をおこなうスタートアップ。今回の取り組みは、Yahoo! JAPANが時間と場所に捉われない「新しい働き方」へと2020年10月から移行したことに伴い、オンライン中心へと活動の場を移した「LOGDE」の取り組みの1つとして実現したものです。
「LODGE」は「情報技術で日本をもっと便利に」をテーマに掲げ、オープン企画の開催、サービスやプロダクトの企画、ネットワーキング/サポート事業を活動の軸に、オープンイノベーションの創出に注力しています。「LODGE」を運営するメンバーからVUILDに今春、打診があったとのこと。
今回の協業では、Yahoo! JAPAN社員のWEBデザイナーやエンジニアなどの有志が、「理想の在宅ワークスタイル」をテーマに、各々のリモートワーク環境にあわせた木製家具キットづくりを、VUILDが開発したクラウドサービス「EMARF(エマーフ)」を使って、製作が進められました。
「EMARF」は、”プリントアウトするように家具をつくる”をキャッチコピーに、木製のものづくりのデザインから、木材を切削してパーツに加工するまでの工程を、オンラインで完結できるクラウドサービス。専門知識は不要で、CADの機能を拡張するEMARFをインストールすることで、CAD上でオンライン入稿し、まるで自分の工房を持ったかのような感覚で、在宅したまま「ものづくり」を行うことが可能に(本稿下部に関連リンクを設定)。
リモートワーク向け木製家具キットは、Yahoo! JAPANの有志がそれぞれ描いてきたイラストをもとに、VUILDのアーキテクトによる複数回のワークショップや監修を経て、完成。完成したキットは、Yahoo! JAPAN社員向けにテストマーケティングを行い、その後、調整を繰り返し、商品化に至りました。
開発の第一弾をリモートワーク向け木製家具キットとした背景は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が拡大して1年以上が経過しているなかでも、依然としてテレワーク時の課題として「デスク、椅子、ネット回線など作業環境の整備」が最も多いことが挙げられています。[*1]。
*1.アスクル「テレワークの活用における実施率や導入に伴う課題」の実態調査(2021年5月14日発表プレスリリース)より
販売を開始した木製家具キットの図面データは、オープンソースとして公開されています。販売は、LODGEが開発したEC&コミュニケーションプラットフォームに、VUILDが開発した「EMARF」を組み合わせたECサービスサイト「LODGE Remote Work Kit」にて(切削用データをダウンロードした後、切削の注文はEMARF上で行う)。注文すると、加工されたパーツが指定先に届き、あとは組み立てるだけ。
6種類のキットのうち、「X種類」では、購入者のライフスタイルに合わせ、幅・奥行・高さなどのサイズを変更することができます。
VUILDとYahoo! JAPANは今後も協業を進め、新しい働き方をしている人たちが、理想の在宅ワークスタイルにあった木製ものづくりができるプラットフォームを提供していく計画です。(en)
ヤフー社員がEMARFを使って在宅ワーク向け家具を作るまで:作品紹介編
https://note.com/lodge/n/n70165e60dd33
コラボレーションスペース「LODGE」
https://lodge.yahoo.co.jp/
「LODGE」公式Facebook
https://www.facebook.com/yahoojplodge
ECサイト「LODGE Remote Work Kit」
https://lodge.yahoo.co.jp/pj/fab/rwk/