“自然の中のもう1つの家”を月額5.5万円のサブスクで提供しているSANU(サヌ)が、「SANU 2nd Home」の次なる進出地として、千葉・九十九里浜エリアを発表。滞在施設のニューモデルとなる「SANU Apartment(仮称)」の概要を発表した。Puddle(パドル)の加藤匡毅氏が建物の設計・デザインを担当。展開中の「SANU CABIN」やリノベーション棟と合わせ、初進出地を含めて100棟の着工を2023年に計画している。
福島 弦氏と本間貴裕氏が2019年11月に設立したSANU(サヌ)は、「Live with nature. 自然と共に生きる。」をビジョンとして掲げ、⼈と⾃然が共⽣する社会の実現を⽬指すライフスタイルブランドです。
東京都心から繰り返し通える距離の自然の中にある滞在施設を選び、使用できるセカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」を2020年7月に発表。2021年11月に、月額5.5万円(税込)で白樺湖と八ヶ岳の2拠点からサービスの提供を開始し、現在は山中湖、北軽井沢、河口湖でも展開中です。
「SANU 2nd Home」は、一般社団法人日本ウッドデザイン協会が主催する「ウッドデザイン賞」の建築・空間分野 ライフスタイルデザイン部門において、2022年度の最優秀賞「環境大臣賞」を受賞(株式会社ADX、釜石森林組合、有限会社二葉測量設計事務所、SANUの4社共同受賞)/ SANU 2022年11月9日プレスリリース
SANUは、11月22日に都内で記者発表会を開催。CEOの福島氏とファウンダーの本間氏のほか、本件の関係者も出席して、新たなモデルとなる「SANU Apartment(仮称)」の概要を発表しました。
2021年11月に「SANU 2nd Home」のサービス開始に際し、SANUでは、建築設計・施工のパートナー企業であるADX(福島県二本松市 / 代表:安齋好太郎)と共に、敷地に与える負荷を軽減したサーキュラー建築「SANU CABIN(サヌ・キャビン)」を開発しています(詳細は『TECTURE MAG』ニュースにて既出)。これまでは山間部に「SANU CABIN」を展開してその数を増やすとともに、サービスの拡充を図ってきました。
11月22日に発表されたニューモデル「SANU Apartment(仮称)」は、SANUとして初めて海辺に進出するもので、第一弾のサイトは、千葉の九十九里浜南端に位置する一宮町。サーフィンの聖地で、海水浴場は徒歩圏内にあるとのこと。
開業は2023年夏を予定しています。
これまでの山間部とはことなる敷地条件に建設される「SANU Apartment(仮称)」の建築デザインは、Puddleの加藤匡毅氏が担当[*1]。パートナー企業で編成された今回のプロジェクトチームは以下の通りです。
建築デザイン・設計:Puddle / 加藤匡毅
建築設計協力:あわデザインスタジオ
構造設計・設計コンサル:エヌ・シー・エヌ
ランドスケープデザイン:YardWorks / 天野 慶
造成設計:二葉測量設計事務所Puddle / 加藤匡毅氏 近影
加藤匡毅氏プロフィール
一級建築士。軽井沢在住。
工学院大学建築学科卒業。隈研吾建築都市設計事務所、IDÉEなどを経て、2012年にPuddle設立、代表を務める。
各土地で育まれた素材を用い、人の手によってつくられた美しく変化していく空間設計を通じ、そこで過ごす人の居心地良さを探求し続ける。
*1.加藤氏はクリエイティブボードとして2021年春よりSANUに参加。八ヶ岳1stの既存建築物をリノベーションしたモデル「Renovation Cabin(リノベーション・キャビン)」の設計を担当しているPuddle ウェブサイト
http://puddle.co.jp/
一宮町に建てられる「SANU Apartment(仮称)」は、長方形の部屋と部屋の一部がつながり、雁行している長屋のような棟が2棟で構成されます。2つの建物は、海がある東の軸線を中心に左右に配置されており、その間は広場のような役割を担います。「人々が緩やかに集い、繋がり、分かち合う」ことを期待している施設のコンセプトを表現した建築計画です。
2棟がシンメトリーに配置された「SANU Apartment(仮称)」外観イメージ The Boundary for Sanu Inc. ©︎SANU
記者発表会で展示された、Piddle / 加藤氏による「SANU Apartment(仮称)」のイメージドローイングと、2棟の配置がわかるスタディ模型
「海に向かい両手をひろげたようにシンメトリーに配置された建築は、その中心に日の出を迎える何もない『空』を作り出す。空は万物の起点となることを願い、人が人と出逢い自然とつながる共有の庭となる。」(加藤匡毅氏テキストより)
内部の空間はメゾネットタイプ。面積は約62m²(+テラス10m²)と、大人4人でもゆったりと寛げる広さを確保しています。人々の新しい「暮らす・遊ぶ・働く」を叶えるプライベート空間を提供するという、「SANU CABIN」以来のコンセプトを軸としながら、寝室は階上に、フロアの中心には「SANU CABIN」よりも大きいキッチンが据え置かれます。
「SANU Apartment(仮称)」内観 キッチンイメージ|©︎ Puddle Inc.
「SANU Apartment(仮称)」内観 リビングイメージ|©︎ Puddle Inc.
「SANU Apartment(仮称)」内観 ベッド・ワークスペースイメージ|©︎ Puddle Inc.
「SANU Apartment(仮称)」内観 バスルームイメージ|©︎ Puddle Inc.
本間貴裕氏(SANU ファウンダー兼ブランドディレクター)コメント
「”山頂”という意味を持つSANU。私たちのブランドにこの名前をつけるとき、実はもう1つ、”Alaia”という候補がありました。意味は”波を楽しむための板”。山を愛するCEOの福島 弦、そして海が大好きな私。SANUは、当初からこうして海と山とがセットで考えられてきました。SANUという名前が決まった後、初めて私たちが展開する土地を探すなかで、海側と山側の立地を競争のように2人で探し合った日々を懐かしく思い出します。
そんな頃から早や2年。念願叶い、海側のSANUをようやく皆様にお披露目できる日を迎えたことを心から嬉しく思います。
地球を住処に。「SANU 2nd Home」が描く未来の第2章が、いよいよここから始まります。「SANU Apartment(仮称)」コンセプトサイト
https://2ndhome.sa-nu.com/sanuapartment
SANUは今年7月の時点で、既存の「SANU CABIN」と「Renovation Series(リノベ棟)」を合わせて50棟を展開。今後は、今回の「SANU Apartment(仮称)」も含めて、2023年に100棟の着工を計画しています(2023年開業予定・候補地(2022年11月22日発表時点):千葉・一宮町、栃木・那須、長野・軽井沢、静岡・伊豆下田、静岡・伊豆高原、静岡・熱海、群馬・北軽井沢、山梨・山中湖、山梨・八ヶ岳)。
「SANU 2nd Home」建築ラインナップ
リノベ棟は、既存は八ヶ岳1sに1棟のみながら、広さがあることから一番人気が高いとのこと。会員の要望を受けて棟数を増やす計画です。
白樺湖、一宮町、伊豆高原にオープンが決まっているリノベ棟は、SANUと共同でSTUDIO DIG.がデザインを担当しています(2022年11月15日プレスリリースより)。
リノベ棟イメージ(左:2022年12月下旬開業予定「Silverlake 白樺湖」内観イメージ / 右:2022年12月下旬開業予定「Seagull 一宮」内観イメージ
2023年着工予定のサイト
ニューモデル「SANU Apartment(仮称)」を含めた新施設の展開を発表したSANUでは、月額5.5万円の定額料金は据え置く予定です。会員登録のウェイティング状態の緩和と新規会員の獲得に務めるとともに、建物およびサービスのバージョンアップにもつなげていく考えです。
SANU 2nd Home 公式ウェブサイト
http://2ndhome.sa-nu.com/
SANU 公式SNS
https://www.facebook.com/sanuofficial/
https://www.instagram.com/sanu_com/
https://www.linkedin.com/company/sanuofficial/