増え続ける海洋ごみ問題や深刻化する海洋環境問題に対し、”デザイン”の分野からどのようなアクションができるのかを話し合い、具体的なアイデアを提案し、教育分野をはじめとする社会への実装を目指すアクション「国際海洋環境デザイン会議」の第一回が、7月30日に東京・渋谷にて開催されます。
主催は、「海と人とを学びでつなぐ」をテーマに、2016年の創立以降、海洋教育とデザインを融合し、実践的なプログラムを提供してきた一般社団法人3710Lab(みなとラボ:代表理事・田口康大)。日本財団が助成しています。
基調講演の講師をデザイナーの深澤直人氏が務めるほか、海をテーマとしたデザインや教育ワークショップの先進事例、アプローチのアイデアなどを報告。プログラムの最後はディスカッションで、世界を舞台に活躍するデザイナーたちと共に、海について考えを深めていきます。
さらには、本イベントの助成を行なう日本財団が、瀬戸内4県と連携して進めている「瀬戸内オーシャンズX」プロジェクト[*1]における、「海洋デザイン教育」の成果報告も行われます。
タイムスケジュール(予定、登壇者の敬称略)
13:30 開場
13:30-13:35 主催挨拶
13:35-13:50 活動紹介
13:50-14:45 基調講演 深澤直人
14:45- 15:15 講演:supercyclers Sarah K
15:30-15:45 レポート「世界のデザインは海洋問題にどうアプローチしているか」土田貴宏(デザインジャーナリスト)、山田泰巨(編集者)
15:45-16:25 トークセッション「海のためにデザインは何ができるか」we+(林 登志也、安藤北斗)、大城健作、倉本 仁、山野英之
16:25-16:30 閉会挨拶
※モデレーター:佐藤久美子(3710Lab)、田口康大(3710Lab)
※日本語通訳あり
基調講演&トークせション登壇者プロフィール
深澤直人(ふかさわ なおと)
1956年山梨県生まれ。1980年多摩美術大学プロダクトデザイン学科卒業。
1980年セイコーエプソン入社、先行開発のデザインを担当。1989年渡米し、ID Two (現 IDEO サンフランシスコ)入社。シリコンバレーの産業を中心としたデザインの仕事に7年間従事した後、1996年帰国。IDEO東京オフィスを立ち上げ、支社長として日本のデザインコンサルタントのベースをつくる。2003年に独立、NAOTO FUKASAWA DESIGNを設立。
現在は、ヨーロッパ、北米、アジアなど世界を代表するブランドのデザインや、日本国内の企業のデザインやコンサルティングを多数手がける。電子精密機器から家具、インテリア、建築に至るまで、手がけるデザインの領域は幅広く多岐に渡る。
2018年、米ニューヨークのノグチ美術館(The Noguchi Museum)が創設した第5回「イサム・ノグチ賞」を受賞。
多摩美術大学教授。日本民藝館館長。
https://naotofukasawa.com/
we+(ウィープラス)/ 林登志也 安藤北斗 Photo: Kenichi Murase
リサーチと実験に立脚した手法で、新たな視点と価値をかたちにするコンテンポラリーデザインスタジオ。林登志也と安藤北斗により、2013年に設立。利便性や合理性が追い求められる現代社会において、見落されがちな多様な価値観を大切にしながら、自然や社会環境と親密な共存関係を築くオルタナティブなデザインの可能性を探究している。
近年は、自然とともに暮らしてきた歴史を学び、自然現象の移ろいやゆらぎを生かすことで、自然と人工が融合した新たなもののあり方を模索する「Nature Study」などのリサーチプロジェクトにも力を入れている。
https://weplus.jp
大城健作(おおしろ けんさく)
1977年沖縄県生まれ。1999年Scuola Politecnica di Designを卒業。
いくつかの建築・デザイン事務所を経て、2004年よりLissoni Associati (Milano)、2012年よりBarberOsgerby (London)に勤務。2015年ミラノにて独立、KENSAKU OSHIROを設立し、現在に至る。
これまで欧米を中心に、業界を引率する企業と数多く協業し、その領域は建築から家具、生活用品全般など多岐に渡る。
主な受賞に、Design Report Award 2006, Rising Talent Awards Italy 2018, Wallpaper Design Award 2022などのほか、ノミネートでは、EDIDA 2016 “Young designer talent”、EDIDA 2022 “Designer of the year”がある。
https://www.kensakuoshiro.com/
倉本 仁(くらもと じん)
1976年兵庫県生まれ。家電メーカーのインハウスデザイナーを経て、2008年に東京目黒にJIN KURAMOTO STUDIOを開設。
プロジェクトのコンセプトやストーリーを明快な造形表現で伝えるアプローチで、家具、家電製品、アイウェアから自動車まで多彩なジャンルのデザイン開発に携わる。
素材や材料を直に触りながら機能や構造の試行錯誤を繰り返す実践的な開発プロセスを重視し、プロトタイピングが行われている自身の”スタジオ”は、常にインスピレーションと発見に溢れている。
主な受賞に、iF Design Award、グッドデザイン賞、Red Dot Design Awardなど多数。
2015~2017年グッドデザイン賞審査委員を務める。
http://www.jinkuramoto.com/
supercyclers(スーパーサイクラーズ / Sarah K
シドニーを拠点に活動するデザイナー・ファウンダー。クリエイティブディレクター、キュレーターとしても活躍。
2009年に持続可能な未来への探求に焦点を当てたデザインイニシアチブとして、supercyclers(スーパーサイクラーズ)を設立。
2010年にデザイナーでアーティストとしても活躍するLiane Rosslerと共に、使い捨てビニール袋を素材にしたカップを最初のプロジェクトとして発表する。2015年には、マリンデブリを素材とした最初のプロダクト「マリンデブリベイクライト 弁当ボックス」を東京デザインウィークにて発表。オランダのデザイナー、カースティ・ヴァン・ノートなど多彩なデザイナーとの協業も行う。また、これまでのサステイナブルデザインの調査結果を活動を提供する、オンラインコース「サステイナブリスト マスタークラス」も開設している。
https://www.supercyclers.com/
山野英之(やまの ひでゆき)
グラフィックデザイナー。
奈良県生まれ。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。2009年にデザイン事務所TAKAIYAMA inc.(高い山株式会社)設立。書籍、広告、ブランドデザイン、建築サインなど、平面から空間まで、グラフィックデザインを軸に活動中。
http://takaiyama.jp/
英語表記:International Conference on Design for Ocean Environments
開催日時:2022年7月30日(土)13:30~16:30(13:00開場、終了時刻は遅延する場合あり)
開催形式:1.現地開催、2.オンライン配信
※来場者特典:海にまつわるノベルティを贈呈
※オンライン参加希望者には、申込完了後に配信URLを通知
会場:スクランブルホール(渋谷キューズ内)
会場定員:100名(着席式)
所在地:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア15階(Google Map)
https://shibuya-qws.com/about/outline
参加費:無料
参加方法:要申込、下記ページにて受付
https://bit.ly/3Prtx2W
主催:3710Lab(みなとラボ)
助成:日本財団
イベント案内ページ
https://3710lab.com/3900
*1.瀬戸内オーシャンズX
日本財団と瀬戸内4県(岡山県、広島県、香川県、愛媛県)が、2020年12月に連携協定を締結した海洋ごみ対策の広域モデル構築共同事業。
山から海底にまで広がる流域と閉鎖性海域を捉えた対策により、瀬戸内海へのごみの流入量70%減、回収量10%増を達成することを目指している。調査研究、企業・地域連携、啓発・教育・行動、政策形成の4つの活動内容から構成されている。瀬戸内オーシャンズX 公式ウェブサイト
https://setouchi-oceansx.jp
一般社団法人3710Lab(みなとラボ)団体概要
設立:2015年4月1日
法人取得:2016年10月27日
代表理事:田口康大(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター特任講師)みなとラボは「海洋教育」の新たなプログラムを提供するプラットフォームとして設立。多様な専門家との協働による実践的なプログラムを通して、環境問題や社会課題、地域のコミュニティ課題にも向き合っている。2021年からは、海洋環境デザイン教育プロジェクトを立ち上げ、全国にて実施。同年、日本財団と瀬戸内4県とが取り組む海洋ごみ対策プログラム「瀬戸内オーシャンズX」の教育部門にてプロジェクトを展開中。
3710Lab(みなとラボ)ウェブサイト
https://3710lab.com/