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藤本壮介&西沢立衛建築で名和晃平展

十和田市地域交流センター開館記念展「名和晃平 生成する表皮」11/20まで、十和田市現代美術館でも開催中【読者プレゼントあり】

建築家の西沢立衛氏の設計で知られる〈十和田市現代美術館〉と、藤本壮介氏の設計で9月にオープンした〈十和田市地域交流センター〉の2会場にて、彫刻家・名和晃平の個展「生成する表皮」が11月20日まで開催される。学生時代の作品から最新作まで、作家の活動の軌跡を総覧する企画展。

十和田市現代美術館 外観

十和田市現代美術館(設計:西沢立衛建築設計事務所、開館:2008年4月26日)

青森・十和田市の十和田市現代美術館にて、6月18日より、彫刻家・名和晃平の個展「生成する表皮」が開催中です。同館に加え、藤本壮介建築設計事務所が設計し、9月20日に開館した十和田市地域交流センター(愛称「とわふる」)でも、10月1日より作品展示が始まっています。2館の会期はどちらも11月20日まで。

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈PixCell-Deer#52〉2018年
ミクストメディア 217.3×189.6×150cm
写真:小山田邦哉

名和晃平は、セル(細胞・粒)で世界を認識するという独自の概念を軸に、ガラスや液体などのさまざまな素材や技法を横断しながら、彫刻の新たなあり方を一貫して追求している作家です。
本展では、名和の多様な作品シリーズを2つの会場で展開し、素材の探求を通じて彫刻の概念を拡張してきた、名和の活動の変遷を辿ります。

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈Untitled〉展示風景 2000年(十和田市現代美術館)
水彩、鉛筆、紙
撮影:小山田邦哉

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈Untitled〉2000年
鉛筆、水彩インク、紙 44.5×35.2×2.8cm
提供:Gallery Nomart 写真:表恒匡|Sandwich

展示が先行する十和田市美術館では、大学院生時代のドローイングシリーズ「Esquisse」、レンズ効果により視点の移動とともに表皮が映像的に姿を変える代表作の「PixCell」、シリコーンオイルからグリッド状に泡が沸き立つ〈Biomatrix (W)〉、さらには新作「White Code」も披露されます。

本展の見どころ
・過去の作品から最新作までを展示し、名和晃平の活動の変遷を紹介
・本展のために制作された最新作〈Biomatrix (W)〉を初公開
・美術館では初展示となる「White Code」シリーズの新作を公開

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈Biomatrix (W)〉2022年
ミクストメディア
撮影:小山田邦哉

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平「White Code」展示風景2022年(十和田市現代美術館)
水性アクリル、キャンバス
撮影:小山田邦哉

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈White Code#8〉2022年
水性アクリル、キャンバス
撮影:小山田邦哉

〈White Code〉作品概要
秒速1センチ程でゆっくりと移動する支持体の上を、粘度を調整した絵の具が雫のようにしたたり落ちる 「White Code」。麻の荒い表面に触れた絵の具の粒は、そのボリュームを維持したまま、ときに広がり 互いに結びついて不規則に変化します。テレグラフの黎明期に使われたモールス符号や、モノクロ画面に 流れるプログラムコードの雨を思わせるドット配列は、デジタル信号がアナログ装置によって出力されたかの ようなマテリアルな質感を伴い、視触覚がつなぐ情報と意味のはざまにその存在を見出していきます。

〈Biomatrix (W)〉作品概要
真珠のような輝きと高い粘度を持つシリコーンオイルの界面に、気泡(セル)がグリッド状につぎつぎと沸き 起こる〈Biomatrix (W)〉。表面張力いっぱいに張り詰めた透明な気泡がゆっくりとはじけ、その想像を 裏切る速度の遅延が、視覚を麻痺させるような感覚を引き起こします。気泡のひとつひとつは、運動が引き 起こす現象の単位であるとともに、皮膜をつくる細胞の要素にたとえられます。同様に、刻々と表情を変える 液体素材の界面は、視覚情報を増幅するインターフェイスとして捉えられることができるでしょう。

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈Biomatrix (W)〉2022年(十和田市現代美術館)
ミクストメディア
撮影:小山田邦哉


#十和田現代美術館 YouTube「名和晃平 生成する表皮」トレイラー 十和田市現代美術館(2022/07/04)

施設のグランドオープンにあわせて展示が始まる地域交流センター(愛称:とわふる)では、版画作品「Array – Black」シリーズにおける、円と線で構成された〈Dot〉や〈Line〉の平面作品や、苔や菌糸のような絨毛を付着させた「Velvet」シリーズ、数カ月間をかけて表面が少しずつ変化していく「Black Field」シリーズの立体作品が展示されています。

「名和晃平 生成する表皮」会場風景

「名和晃平 生成する表皮」地域交流センター展示風景 2022年
撮影:小山田邦哉

「名和晃平 生成する表皮」会場風景

「名和晃平 生成する表皮」地域交流センター展示風景 2022年
撮影:小山田邦哉

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」

名和晃平〈Dot Array – Black #239〉2022年
UVプリント、紙、アクリル、木製パネル 56×100cm
提供:Gallery Nomart 撮影:加藤成文

展覧会タイトル「生成する表皮(英語:Generative Interface)」とは、名和の作品に通底する制作概念を表したもの。情報化時代における知覚や認識のリアリティを背景に、物質と感性を介するインターフェースとしての「表皮」に改めて焦点があてられます。

名和晃平プロフィール

彫刻家。Sandwich Inc.代表。京都芸術大学教授。
1975年生まれ。京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。2009年「Sandwich」を創設。名和は、感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着目し、セル(細胞・粒)という概念を機軸として、2002年に情報化時代を象徴する「PixCell」を発表。生命と宇宙、感性とテクノロジーの関係をテーマに、重力で描くペインティング「Direction」や、シリコーンオイルが空間に降り注ぐ「Force」、液面に現れる泡とグリッドの「Biomatrix」、そして泡そのものが巨大なボリュームに成長する「Foam」など、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトも手がける。
2015年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演中。2018 年にフランス・ルーヴル美術館ピラミッド内にて彫刻作品〈Throne〉を特別展示。

名和晃平 / Kohei Nawa

Photo: Nobutada OMOTE|Sandwich

展覧会に関して:名和晃平
太古から変わらない現象に、新たなイメージを重ね合わせることで、現象への解釈は無限にひろげることができます。例えば、「断続的な雨」という現象に「コード」という現代のイメージを重ねることで、その現象の意味を拡張するなどです。本展が取り扱うのは、そうした日々の理解からこぼれ落ちたマージナルな情報領域であり、それを受け止める感覚と想像の拡張です。

十和田市現代美術館「名和晃平 生成する表皮」フライヤー

「名和晃平 生成する表皮」開催概要

会期:2022年6月18日(土)〜11月20日(日)
開館時間:9:00-17:00(2館とも入場は閉館30分前まで)
会場:十和田市現代美術館、十和田市地域交流センター(10月1日より)
休館日:月曜

会場1:十和田市現代美術館
所在地:青森県十和田市西二番町10-9(Google Map
会期:6月18日(土)〜11月20日(日)
観覧料:十和田市現代美術館:1800円(常設展込み)、高校生以下無料

会場2:十和田市地域交流センター(とわふる)
所在地:青森県十和田市稲生町16-1(Google Map
会期:10月1日(土)〜11月20日(日)
観覧料:無料

後援:青森朝日放送、青森テレビ、青森放送、デーリー東北新聞社、東奥日報社、十和田市教育委員会
特別協力:ナンジョウアンドアソシエイツグループ
展示協賛:手塚 清(kōjin kyoto)、藤波克之(VB ジャパンテクノロジー 代表取締役)
展示協力:寺田倉庫、ファーストプライウッド、青森プライウッド、星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
キュレーター:見留さやか

展覧会詳細
https://towadaartcenter.com/exhibitions/nawa-kohei/


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受付期間:2022年10月23日(日)まで
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了
※発送に関する個々の問合せには対応しませんのでご了承ください
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません

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