2021年11月14日初掲、2022年2月22日完成後の写真を追加
引退した路線バスの車体を再活用し、移動型サウナバス「サバス」を製作するプロジェクトが関係各社より発表されました(リバース、NOD、totonoüの各社発表 2021年11月4日)。
使用するのは、兵庫県を拠点にバス事業を営む神姫バスが姫路市内で運行していた路線バス(神姫バス)の車両。通常では廃車となる車両を、移動も可能なモバイルサウナへと改造するもので、サウナバスを略して「サバス」と命名されています。
「サバス」の内装設計は、大型3DP家具を先ごろローンチして注目されるNOD、大阪・東京に拠点を構える一級建築士事務所のOSTRが共同で担当。ほか、エストニア・タリンに本社を置き、北欧エストニア産バレルサウナの輸入・販売を行うtotonoü、日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」、“バスをリブランディングする”をミッションに2021年5月に起業したリバース(会社概要は後述)など複数の起業が参画。それぞれの知見とノウハウを生かして製作されます。
レイアウトは、路線バス時代の雰囲気を残しつつ、休憩スペース兼運営用事務スペース、本格薪ストーブを使用したサウナ室の大きく2つの空間構成に。
一般的なサウナと同じような体験を提供するため、バスの内装を活かしつつ、導線設計や素材選定が進行中とのこと。サウナ室内では、降車ボタンを押すと熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる「押しボタン式のオートロウリュ」(通称:「蒸気降りますボタン」)や、吊り革や座席なども生かしたデザインが発表されています(2021年11月4日時点、今後変更となる場合あり)。
自家用車の普及や人口減少により、バス事業者は利用者の減少という課題を抱えています。さらに、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響により、移動の自粛やリモートワークといった、人々のライフスタイルの変化の影響も受けています。
そこで、新しい収入源の創出の1つとして、廃車前のバスを利活用するプロジェクトが立ち上がりました。
「サバス」のロゴは、神姫バスのシンボルである鳥を継承したデザイン。全国各地で人々の身も心もあたためたいという思いを込めて、サウナを「火」、目的地を「ピン」、移動を「矢印」に見立て、サウナを運ぶ鳥が「サバス」のシンボルとなっています。
「サバス」の完成は2022年2月を予定。大型車両の駐車スペースがある施設や、アウトドア施設など、企業や事業者向けに車両を貸し出すなど、多様な事業展開が計画されています。
企画・プロデュース:リバース(代表取締役 松原安理佐)、サウナイキタイ(代表責任者 鈴木 有)
https://sauna-ikitai.com/
内装設計:NOD(代表取締役CEO 溝端友輔、代表取締役COO 沼田裕輝)、OSTR(共同主宰:太田 翔、武井良祐)
https://nod.jp.net/
https://www.ostrarchi.com
ストーブ手配・設置監修:totonou Japan(代表:齋藤アレックス剛太)
https://totonou.co/
内装施工:アトリエ ロウエ
http://loowe.jp
バス整備・改修:神姫商工
http://www.shinkishoko.jp
「サバス」公式Webサイト
https://sabus.jp
企画・プロデュースを担当するリバースについて:
本社は大阪府。同社の代表を務める松原安理佐は、神姫バス勤務時代に、「人を運ぶ」こと以外に、バスで新たな移動型サービスをつくることへの可能性を感じ、2021年5月神姫バスより出向して株式会社リバースを起業。社名のリバースは、「RE BUS(バスの再生)、RE BIRTH(生まれ変わらせる)」という意味が込められている。
”自走可能”&”大型スペース”や、大きな面積の確保という、バスならではの利点を活用し、現在はサウナバス以外にも、託児所バスやシャワーバス、店舗型バスなど、あらゆるサービスの展開により、地域活性や遊休地活用、災害支援、社会課題などの解決を目指す。
なお、同社の設立にあたり、経済産業省 令和3度予算「大企業人材等新規事業創造支援事業費補助金(出向起業等創出支援事業)」に採択されている。
https://co-hr-innovation.jp/entrepreneur/rebirth/