建築家の永山祐子氏が率いる永山祐子建築設計がデザインした遊具〈うみのハンモック〉が、大阪府門真市の〈さくら広場〉に期間限定で設置されました。2025年10月13日まで一般公開される予定です(休園日および休園期間あり)。
〈うみのハンモック〉は、廃棄された漁網をアップサイクルした糸で編まれたネットで設計・構成されているのが特徴です。いわゆる海洋ゴミが、「モノの循環」のなかで、かたちを変えながら人々の生活へと戻ってくる「めぐる物語」の通過点として、「素材が環るデザイン」をコンセプトに永山氏が設計しました。2022年秋に東京ミッドタウンで開催されたデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH(東京ミッドタウン デザインタッチ)」にて初めて披露され、このときは下の写真(3点)のように、大きく連結して芝生広場に登場。昼夜を問わずに大人も子供もネットに全身を預け、都会の真ん中でそれぞれのひとときを楽しめる遊具として人気を集めました。
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」の見どころはこちら! 永山祐子氏による大型インスタレーション「うみのハンモック」が芝生広場に登場
このほど〈うみのハンモック〉が設置された門真市の〈さくら広場〉は、パナソニックグループが旧本社跡地である社有地を、環境や地域のために有効活用したいという想いのもと、安藤忠雄建築研究所が設計・監理を担当して整備され、2006年4月に開園。約4,900坪の広さに190本の桜が植えられた花の名所として地元の人々に知られています。
永山祐子氏による〈うみのハンモック〉は、〈さくら広場〉の敷地内に5基設置されています(本稿1枚目の画)。
前述の東京ミッドタウンでのイベントで使用されたものを一部、再利用して設置しており、門真での設置期間終了後は再びアップサイクルされる予定とのこと。
今回の期間限定の設置も、前述の東京でのイベント開催時のコンセプトと同様に、〈さくら広場〉を訪れた人々が、”漁網リサイクルネット”でつくられた「うみのハンモック」に揺られながら、今までに体験したことがない距離や角度から周りの景色を眺め、四季の美しさを感じとり、かつ人々の生活をとりまく自然環境にも意識を巡らせてほしいという思いから企画されたものです。
なお、永山祐子建築設計とパナソニックグループは、2025年4月13日に開幕予定の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」でもタッグを組んでおり、同グループが出展する企業パビリオン〈ノモの国〉は、永山氏の事務所が設計を担当しています。
パビリオン〈ノモの国〉は、「循環」をテーマに掲げ、ひとの営みと自然の営み、それぞれ360°の循環が作用し合ってひとめぐりする、いわば“720°の循環”の中で、子どもたちが“つながる世界の中の自分”と、“ソウゾウする力”に気づく体験を通じ、未来への希望を思い描けるようなパビリオンを目指して準備が進められています。
加えて、パナソニックグループでは、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、各事業を通して地球環境問題の解決に取り組んでおり、大阪・関西万博においても「資源循環型のパビリオン」の実現を目指し、さまざまな建築材料にリユース、リサイクルしやすいものを採用。このほど門真に設置された〈うみのハンモック〉のコンセプトもこれらの方針に基づいたもので、〈ノモの国〉に設置予定のベンチも、漁網リサイクルネットを用いたデザインが発表されています(下の画)。
設計・監理:有限会社永山祐子建築設計
施工:ジャクエツ
設置数:5基
設置期間(予定):2024年3月26日(火)〜2025年10月13日(月)
※都合により設置期間が変更になる場合あり
パナソニックホールディングス プレスリリース(2024年3月26日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn240326-2
所在地:大阪府門真市門真1006番地 パナソニックミュージアム
設計・監理:安藤忠雄建築研究所
施工:大林組
開園:2006年4月8日
面積:16,198m²(4,900坪)
桜の本数:190本
入園料:無料
通常開園時間:3月1日~10月31日 10:00-17:30(入園は17:00まで)/ 11月1日~2月末 10:00-16:30(入園は16:00まで)
休園日:日曜、祝日、8月中旬頃、年末年始
※臨時休園期間(2024年4月8日から1カ月程度)
〈さくら広場〉詳細
https://holdings.panasonic/jp/corporate/about/experience-exhibition/sakura/kadoma.html