BUSINESS

有明アーバンスポーツパーク「livedoor URBAN SPORTS PARK」今秋全面開業

膜構造ランニングスタジアムを移設、2020年東京五輪のレガシーを受け継ぐスポーツウェルネスの拠点

BUSINESS2024.08.08

2021年7月から8月にかけて開催された第32回オリンピック競技大会(以下、2020年東京五輪と略)の舞台となった、東京・湾岸部の有明エリアの競技施設が整備され、10月12日に全面開業する予定です[*諸事詳細は関連リンク・報道資料より]

今秋のグランドオープンに先駆け、今年4月に「有明アーバンスポーツパーク」として一部施設がオープン。ネーミングライツパートナーとしての権利をミンカブ・ジ・インフォノイド(以下、ミンカブと略)が獲得し、ミンカブの子会社であるライブドアから名前をとり、今後は「ライブドア アーバンスポーツパーク(livedoor URBAN SPORTS PARK)」と呼称されることが7月19日に発表されています(本稿では正式名称の「有明アーバンスポーツパーク」とする)。

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

「有明アーバンスポーツパーク」(愛称:livedoor URBAN SPORTS PARK)エントランス イメージ

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

“livedoor URBAN SPORTS PARK” 施設ロゴ

先行オープン期間
2024年4月27日(土)~7月25日(木)の土・日曜、祝日
利用可能施設:スケートボード施設、ボルダリング棟(いずれも予約制)
2024年7月26日(金)~9月8日(日)(週6日、金曜定休)
利用可能施設:スケートボード施設、ボルダリング棟、3×3コート(いずれも予約制)
※先行オープン期間終了後、全面開業までの準備期間はクローズ

「有明アーバンスポーツパーク」先行利用規約 詳細
https://www.ariakeurban.metro.tokyo.lg.jp/

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

「有明アーバンスポーツパーク(愛称:livedoor URBAN SPORTS PARK)エリアマップ

「有明アーバンスポーツパーク」は、PFI法に基づいて東京都が施設の整備・運営を行う事業者を2022年に公募、東京建物を代表企業とするコンソーシアム(参加企業:TSP太陽、日テレ アックスオン)が優先交渉権者として選定されています。その後、同コンソーシアムは、Tokyo Sports Wellness Village株式会社(以下、ビレッジ社と略)を設立し、2024年秋の全面開業へ向けて、施設の設計・改修・建設といったハード面の整備ほか、各種サービスやコンテンツの準備を進めてきました。

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

「大会レガシーゾーン」スケートボードパーク 完成イメージ(2023年3月30日 東京建物プレスリリースより)

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

「多目的ゾーン」屋外アスレチック イメージ(2023年3月30日 東京建物プレスリリースより)

「有明アーバンスポーツパーク」は、敷地面積約3.1ha の規模を誇り、東京都が整備し、事業者が一部改修が行う「大会レガシーゾーン」(3X3バスケコート / スケートボードパーク / 屋内ボルダリング)と、「多目的ゾーン(ビレッジパーク)」(:屋外アスレチック / ランニングスタジアム / 広場・マルチプルスペース / 店舗棟 A棟・B棟 / 駐車場・駐輪場)で構成されます。

2020年東京五輪開催時の記憶を継承すべく、事業ビジョンとして「Tokyo Sports Wellness Village “ARIAKE”」を掲げており、アーバンスポーツをきっかけに、誰もが輝き、健康的で幸せを感じるライフスタイルを実現できるまちづくりを推進、「スポーツウェルネス」のロールモデルエリアとなることを目指しています。各種運動施設のほか、カフェ・レストランなどの飲食施設も敷地内に用意されます。

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

「多目的ゾーン」夕景イメージ

livedoor URBAN SPORTS PARK / 有明アーバンスポーツパーク

施設配置計画図(2023年3月30日 東京建物プレスリリース発表時点のもの ※変更の場合あり)

 

なかでも注目は、豊洲から移設されるランニング施設〈新豊洲 Brillia ランニングスタジアム〉の再オープンです。
同施設は、同区豊洲の地に2016年12月10日にオープン。館長に為末 大氏を迎え、60mトラックとパラアスリートを支援する義足開発ラボラトリーが併設された世界初の施設として、2023年11月末まで運用されていました。

新豊洲Brilliaランニングスタジアム

豊洲から移設される〈新豊洲Brilliaランニングスタジアム〉※解体前の内観 撮影:ナカサアンドパートナーズ

移設建築物〈新豊洲 Brillia ランニングスタジアム〉概要
用途:スポーツ練習場
防耐火構造:準防火地域 その他
規模:地上2階建
⾼さ:10.3m
構造:鉄筋コンクリート造⼀部鉄⾻造、⽊造
敷地⾯積:3429.33㎡
建築⾯積:868.13m²(建ぺい率25.31%)
延床⾯積:1079.02m²(容積率30.27%)
建築設計:武松幸治+E.P.A 環境変換装置建築研究所
構造設計:KAP、太陽工業
ETFE設計:太陽⼯業
施⼯:太陽⼯業
移設先事業主体:Tokyo Sports Wellness

建物の膜構造の設計を担当した太陽工業の発表(2024年1月17日プレスリリース)によれば、同施設は近年注目されている新素材の1つである高機能フッ素樹脂膜材・ETFEフィルムを、日本国内では初めて大規模に採用するとともに、ユニット化した国産カラマツの集成材でアーチ形状を構成しているのが特徴。2020年東京五輪閉幕後の移築を前提に設計され、大規模木造建築の普及・促進につながる建築システムを実現したことなども評価され、2017年グッドデザイン賞、2018年第59回BCS賞、2019年日本建築学会賞(作品)など各賞を受賞している


#日本建築学会YouTubeチャンネル「2019年日本建築学会賞(作品)新豊洲Brillia ランニング スタジアム」(2019/04/19)

 

「有明アーバンスポーツパーク」全体の活用や主な施策としては、ビレッジ社の代表企業である東京建物が有するまちづくりノウハウをはじめ、出資企業であるTSP太陽、日テレ アックスオン(AX-ON)の各社のそれぞれの強みを総合的に展開し、「Tokyo Sports Wellness Village “ARIAKE”」ビジョンの実現を目指していく計画とのことです。

関連リンク

・東京都 スポーツTOKYOインフォメーション 公開資料「有明アーバンスポーツパーク整備運営事業事業者募集について」(2022年12月27日)
・東京都 生活文化スポーツ局 報道発表資料「有明アーバンスポーツパーク 事業候補者を決定」(2023年3月30日)
・東京建物 プレスリリース「有明アーバンスポーツパーク」ネーミングライツパートナーの募集を開始」(2024年02月22日)
・東京建物 プレスリリース「有明アーバンスポーツパークの愛称 “livedoor URBAN SPORTS PARK”に決定」(2024年7月19日)

「有明アーバンスポーツパーク」開設準備サイト
https://ariake-urbansports.brillia.com/

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